特集

【新作おしえて】つまみ細工作家・jiuさんの「輪の花の小さなブローチ」

SNSで編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。今回は、つまみ細工作家・jiuさんの「輪の花の小さなブローチ」です。

つくり手は、jiuさん
日常にも、ときめきや心の潤いを届けられるつまみ細工を制作。
https://minne.com/@jiutumami

jiuが生まれるまで

jiu
つまみ細工を始めた大きなきっかけは、自身の結婚式で白無垢に合わせる髪飾りを制作したことでした。もともと物心ついた頃からお絵かきが大好きで、次第に粘土や手芸など、自分の手で何かを生み出すことにもひかれるようになり、手を動かす日々を送っていました。
大学では美術・工芸を学び造形作品を制作。卒業後は企業でものづくりの職人として働きました。

ころんころんと揺れる様子が愛らしい野花の耳飾り。つまみ細工 「 まんまる野花の耳飾り 」

jiu
そんな日々を長く過ごしてきたこともあり、今では手で何かをつくることは自分の一部のように感じています。
いろいろなものを「つくってみたい」と思うことも多く、結婚式でも自然と髪飾りを自作してみようという考えに至りました。

セレモニーやフォーマルなシーンにぴったりなコサージュ。つまみ細工 コサージュ「 淡色お花 × 葉っぱの小さめコサージュ 」

jiu
つまみ細工は成人式で身につけたことがあり、以前から興味を持っていました。ただ制作の経験はなかったので、まずは調べて試して…と試行錯誤の連続でした。ですが実際にやってみると、これまで以上に深い魅力を感じ、夢中になりました。

jiu
ものづくりはこれまでにもいろいろ経験してきましたが、とても純粋に「良いな」と思えた感覚がうれしかったです。心ひかれたつまみ細工でしたが、晴れの日の和装に添えるものというイメージが強く、結婚式を終えたこれから先、歳を重ねるにつれて身につける機会が減っていくことに寂しさも感じました。

桜の花びらリースの中央に、揺れるさくらの花をあしらったブローチ。つまみ細工 桜「 春風に揺れる、桜のリースブローチ 」

jiu
こんなにも魅力的なのだから、晴れの日でなくても、和装でなくても、日々の暮らしのそばで咲いてくれたら。そんな思いから、大人でも日常に取り入れやすいつまみ細工のアクセサリーや小物をつくり始めました。

日常に寄り添うつまみ細工を目指して

繊細で凛とした佇まいの、jiuさんの作品。制作に込めたこだわりをうかがいました。

雨粒のようにキラキラと光る、華やかなゴールドのビーズがアクセントになったブローチ。つまみ細工 紫陽花 「 しっとり紫陽花の小さなブローチ 」

jiu
作家名のjiuは日本の言葉である「慈雨(じう)」に由来し「万物を潤し、育てる雨」を意味します。慈雨は、特別な日もそうでない日もどんな人にも優しく降り注ぎます。「つまみ細工が心を潤し、ときめきや彩りとなって日々に花を咲かせますように」との思いを込めています。

jiu
また、わたしが思う「つまみ細工の魅力」を活かしながら、「日常になじむもの」であることも大切にしています。つまみ細工は、正方形の布を何度も折り畳み、花びらを一枚一枚つくりあげていく技法です。そのつくり方の中に、魅力の源が詰まっていると感じています。つまみ細工のお花には「繰り返しの形」や「規則正しく整然とした並んだ花びら」に美しさがありますが、花びら一枚一枚を手作業でつくることによって生まれる微かな「揺らぎ」の存在も、魅力を語る上では欠かせないポイントです。

日常の中にも取り入れやすい、小さなお花が揺れる耳飾り。つまみ細工「丸いプチフラワーの耳飾り 」

jiu
それらが合わさることで、美しさの中に愛らしさや素朴な温かさ・心地よさが感じられ、より味わい深い魅力に繋がっていると捉えています。これらを壊さず活かしながら日常で自然に取り入れられるよう、デザインや色合わせやサイズ感などにもこだわっています。また、魅力が淀みなくまっすぐ届いてほしいという思いから、見えない部分や裏処理にも注意しています。

新作は、輪の花の小さなブローチ

jiu
もともと、つまみ細工の基本的な形「半くす」(半球状の立体的なお花)が好きなこともあり、シンプルなお洋服にもさっと取り入れたくなる小さなブローチを模索していました。

jiu
そんな時、立体的なお花のシルエットをかたどったような輪っかのお花を組み合わせたら、つまみ細工らしい魅力はそのままに、軽やかですっきりとした印象のブローチがつくれるのではないかという考えが浮かびました。また、つまみ細工を通じてさまざまな輪が広がるようなイメージも合わさり、意味合いとしても素敵だと思ったことから誕生しました。

jiu
形そのものはとてもシンプルなので、だからこそ心地のよいバランスを見つけるのに苦労しました。例えば、メインのお花と輪っかの重なり具合・花びらの枚数・輪っかの抜け部分の大きさなど、検討する内容はさまざまです。

jiu
重なり具合にしっくりきても色合いが合わない、色合いは良いけれど花びらの枚数が雰囲気と合わないなど、実際にアイデアを形にしてみるとたくさんの発見があります。まずはいろいろなパターンをつくって試し、それを繰り返すことでこれだと思えるバランスに辿り着きました。

jiu
色合いも、お洋服になじみながらもつまみ細工ならではの立体感や奥行き感が引き立つよう意識しました。

jiu
また、メインのお花と輪っかを単純に重ねるだけだと裏面に大きな段差ができてしまい、ブローチピンを固定するのが難しくなります。そのため、裏面をフラットに仕上げるにはどうしたら良いかなど、構造面でもたくさんの工夫が必要でした。

jiu
つまみ細工の繊細な魅力が邪魔されることなく真っ直ぐ届くように、ということも大切にしています。

最後に、記事を読んでくださったみなさんに向けてメッセージをいただきました。

jiu
最後までご覧いただきありがとうございます。こうして興味を持っていただいたことや、minneを通じてお手に取ってくださったこと、お声のひとつひとつがとてもうれしく大きな励みになっています。

jiu
慌ただしい日々を過ごしていく中で小さな感情や大切にしたいと思っていることが、気づかないうちに置いてけぼりになってしまうこともありますが、人の手で咲かせる温かなつまみ細工のお花で、ささやかな彩りをお届けできればうれしいです。これからもつまみ細工がみなさまにとって慈雨のような存在になれるよう、大切につくり続けていきたいと思います。

ご紹介したjiuさんの作品はこちら

あなたもminneで作品を販売してみませんか?

minneは現在97万件以上を超える作家・ブランドによる1837万点以上の作品(※1)が、販売・展示されている、国内最大(※2)のハンドメイドマーケットです。
つくり手がものづくりに集中できるよう、作品は代理人の手を通して届けることもできます。
「ものづくり」の世界がますます広がるminneで作品を販売してみませんか?

(※1)2025年12月末時点
(※2)ハンドメイド作品の販売を主軸とする国内ハンドメイドマーケット運営会社2社の作家・ブランド数に関するIR資料公表数値及びサイト公表数値を比較。2025年7月10日時点、GMOペパボ調べ。

作品販売について見る


連載「新作教えて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、X(旧Twitter)またはInstagramにて「#新作教えて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。

募集の詳細を見る

編集部へ感想を送る

  • Xでポストする
  • Facebookでシェアする