インタビュー

ソーイング作家Rinoさんに聞いた、遠く離れても感じる奄美のやさしいものづくり。

今回ご紹介をするのは、今年1月に鹿児島県・奄美大島で開催されたコンテスト「あまみハンドメイド大賞」にて、見事「大賞」に輝いたソーイング作家のRinoさん。受賞作品の「紬のベビーシューズ」は、奄美を離れて遠くに暮らすお孫さんのためにつくられた作品。温暖な奄美大島で生まれた、あたたかみのある繊細な作品に込めた想いをお聞きしました。

今回ご紹介をするのは、今年1月に鹿児島県・奄美大島で開催されたコンテスト「あまみハンドメイド大賞」にて、見事「大賞」に輝いたソーイング作家のRinoさん。受賞作品の「紬のベビーシューズ」は、奄美を離れて遠くに暮らすお孫さんのためにつくられた作品。温暖な奄美大島で生まれた、あたたかみのある繊細な作品に込めた想いをお聞きしました。

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奄美大島でのものづくり

「あまみハンドメイド大賞」にて「大賞」の受賞おめでとうございます。

Rinoありがとうございます。「あまみハンドメイドマーケット」の会場で、みなさまの出品された作品たちを拝見しましたが、どれも素敵で…。まさか、自分が大賞をいただけるとは思ってもいなかったのでたいへん驚いたのと、嬉しい気持ちでいっぱいです。

奄美市での作家活動をはじめることになった経緯を教えてください。

Rino
30歳までは福岡県に住み、短大の被服科を卒業し専門学校に通ったのちに、アパレル会社でパターンの仕事をしていました。夫が自営業をはじめたことをきっかけに奄美市に引っ越すことになりました。

最初イメージしていたより、奄美はとっても暮らしやすい島でした。中心部の名瀬では欲しいものはなんでも揃うし、都会と田舎が混ざっているところが過ごしやすいです。結婚するときに、年に1回は福岡に帰ることを約束したのに、それが叶っていないのが少し不満ではありますが(笑)。

移住してからは、近所の人に頼まれてちょっと服を縫ったり、裁縫してつくった作品を知人の洋服店に置かせていただいて委託販売などをしていました。

一昨年からは、自宅で裁縫教室もオープンしました。自由な雰囲気で、生徒さんは来たいときにふらっと訪れて作品をつくるといった空間にしました。

もともと裁縫がお好きだったんですね。今回、奄美大島の特産品「大島紬」で作品をつくろうと決めたきっかけなどはありますか?

Rino
裁縫教室の生徒さんから「大島紬で作品をつくりたい」と相談を受け、大島紬で何ができるだろう、と考えたことがきっかけです。大島紬とは、奄美大島の伝統工芸のひとつで、手で紡いだ糸をティーチキという植物の煮出し液と、泥の中の鉄塩とで茶色に染めて織った絹布のことなのですが、それまでは大島紬で作品をつくった経験はなく、「縫うのが難しそう」というイメージでしたが、試行錯誤してつくり上げました。生徒さんに完成品を見せたときに、すごく気に入ってくれたのが嬉しかったです。


遠く離れても、奄美を想ってほしい

今回、どうしてあまみハンドメイド大賞に応募しようと思ったのですか?

Rino
昨年の11月、奄美市で行われたminneさん主催のセミナーに参加したときに、講師の和田さんから大賞の存在をお聞きました。

ちょうどそのセミナーの1週間くらい前、今回大賞をいただいた「紬のベビーシューズ」をつくっていたこともあり、良い機会だなと思い応募しました。

もともと私は洋服づくりを中心に活動していたのですが、次女が出産前に里帰りしたとき、一緒にベビーシューズをつくろうという話になって、そのとき大島紬に挑戦してみようと思いました。次女はまた福岡に帰りましたが、遠く離れていても、これを見て奄美を思い出してくれたらなって。孫が1歳になる誕生日に、大島紬でつくったこの靴を履いてくれたらなって…。奄美を知らない方にも奄美のあたたかみを感じてほしい。そういう想いで大島紬を使用しました。

すべて大島紬でつくると、落ち着いた印象になりすぎてしまいます。白い靴のほうには、アクセントにとお花やパールをつけました。飾りつけもうまくでき、お気に入りです。この靴をつくる前に、たまたま知人がエプロンを縫っていたこともあり、エプロンの紐の先の形からアイディアを得ました。

今回のコンテストには、この2種類を出品しました。黒い靴のほうは、知人に薦めていただいた着物を使用してつくりました。

小さな靴の中に、こだわりがたくさん詰まっているんですね。つくる際に大変だったことはありますか?

Rino
とにかく手作業が多いことですね。靴を裏返すと、こんな感じになっていて…。


端を繰り返しビッチリ縫いあげています。かかとの形をキレイにしてあげないと、完成形もキレイにならないんです。手縫いの部分が多いので、1足つくるのにも、結構な時間がかかりましたね。

今後の活動目標をおしえてください。

Rino
これまでは、ワンピースなど洋服を販売してきました。ですが、今回あまみハンドメイド大賞にて、ベビーシューズを選んでいただいたこともありますし、今後は少しずつジャンルを広げて小物などにも挑戦していきたいです。


プロフィール

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Rinoさん

奄美市在住の作家を対象に作品を募集したコンテスト「あまみハンドメイド大賞2017」にて、「大賞」を受賞。4月に開催する「minneのハンドメイドマーケット2017」にも出展予定。

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