お花やナチュラルな素材をつかって、オリジナルアクセサリーを制作するhanamori(ハナモリ)さん。淡いカラーの世界観に、minneでも多くのファンを持つhanamoriさんは、自身の大切な日をきっかけに作家活動をはじめたそう。日々、ものづくりと向き合う中での大切にする想いをお聞きしました。
挫折しても続けた、ものづくり
hanamoriさんは、どんな幼少期を過ごしましたか?
hanamori 両親に、幼いころから習いごとをたくさんさせてもらって、体操やそろばん、ピアノにプール、英会話などなど…。いろいろなことを経験させてもらいました。なかでもピアノは長く続いて、5歳から10年ほど続けていました。
手を動かして、ものをつくることが好きで、中学校では美術部に所属して絵を描いたり。校内に掲示するようなポスターを率先してつくったりなんてこともよくしていました。高校は、「陶芸クラス」という珍しい学科のある学校に進学して、陶芸をメインに美術についていろいろ学びました。いまの私がつくる作品の作風とは少し離れていますが、本来はサイズの大きい作品をつくることも好きなんです。
高校では好きな美術に関して、いろいろなことを学べる一方、はじめて上手な人だらけの環境に変わり、ギャップというか、ものづくりに関してちょっとした挫折を感じちゃって…。子どもが好きだったこともあって、高校卒業後は、保育の専門学校に進もうと、進路変更を決めました。
保育士時代も、画用紙で誕生日カードや壁面をつくったり、子どもたちと日々さまざまな工作を一緒にしたりできて、楽しいなと感じていました。
大切な日に決めた、作家活動
作家活動をするきっかけを教えてください。
hanamori 自分自身の結婚に向けて、特別な花かんむりをつくったことがきっかけです。私は、お花の中でもシロツメグサが特に好きで、ドレス姿にはシロツメグサの花かんむりを身に付けたいなってずっと思っていて。はじめは購入しようと思い調べていたんですけど、そのとき見たものが思ったよりも高価で…。ならば、自分でつくってみようって。
試行錯誤してつくりあげたその花かんむりが、まわりの人にとっても評判がよくて。嬉しくなってそれから少しづつ、アクセサリーの制作をはじめました。
hanamoriさんこだわりの制作方法や、作品づくりにおいて「自分らしい」と感じる部分はありますか?
hanamori お花をつかった作品をつくられる作家さんは、私のほかにもたくさんいるので、少しでもオリジナルになるよう、お花はなるべく自分で染色しています。また、シックな色味が自分の好みなので、そういった自分好みに色付けしたアクセサリーは、私ならではの世界観になっていると思います。
必要とされてはじめてわかる、私のものづくり
作家活動をしていてよかったことはありますか?
hanamori 熊本地域で大きな地震がありましたが、あのニュースを観たときに「ああ、(こんな大変なときには)私のつくった作品なんて必要ないよな」って漠然と「ものづくりの無意味さ」みたいなものを感じてしまったんです。アクセサリーなんて、本当に生活が大変なときに、何の役にも立たないものだ、必要なものとは思わないだろうなって…。
そう考えていたときに、あるお客さまからご注文をいただいて。その方は、熊本にお住まいで、以前から何度も購入していただいてる方でした。安堵した気持ちと同時に「あ、熊本に送るんだ」って思って、何かメッセージを添えようと考えたのですけど、いい言葉が思いつかなくて。「いつもありがとうございます」と、普段通りのメッセージをお送りしました。
そうしたら、お客さまから返信をいただいて。「ようやく、minneを訪れようと思えました」との言葉とともに、「素敵な作品を手に取り、喜べた自分に対して、『こんなに自分が元気になっていたんだ』と作品を通して気づきました」と、感謝の言葉をいただいたんです。
その言葉で、逆に私自身がすごく勇気をもらいました。私の作品が、誰かの生活に必要なものになれたのかはわからないのですが、そのときは誰かの「何か」になれた瞬間だったのかなと感じて、すごく励みになりました。
とても素敵なお話ですね。hanamoriさんの、今後の活動目標をおしえてください。
hanamori 大きいことでいえば、お店の装飾などを自身の作品でプロデュースしてみたいっていうものがありますね。ですが一番は、街を歩いていたりしたときに、ふとすれ違う人が私のアクセサリーをしているのを見つけて、「あの!それってもしかして、hanamoriのアクセサリーですか?」って、自分から声かけることが夢なんです(笑)。まだ一度も出会えていないので、それくらい私の作品が世の中に浸透していけるようにこれからも頑張りたいなと思っています。