4月28日・29日の2日間、東京ビッグサイト東7ホールにて開催した「minneのハンドメイドマーケット2017」。今回は、人気作家さまのトークショーの様子をご紹介します。
ステージイベントも充実の2日間
2回目の開催となる今年も、たくさんの方にご参加・ご来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じることができた「minneのハンドメイドマーケット2017」。今回は、会場奥「つながり広場ステージ」で開催された、人気作家さまのトークショーの様子をお届けする第3弾です。
<1>カリーノぱんさん×nanacomaさんトークショー
今回のステージでご登壇いただいたのは、本物のパン生地を使ったアクセサリーや雑貨を手がける作家「カリーノぱん」さんと、ほっこりかわいい羊毛フェルト作品が人気の「nanacoma」さん。お二人は、プライベートでも交流を持たれている仲良し作家さんです。
そんなお二方に、それぞれの活動や交流についてお伺いしました。
きっかけは、SNSで一目惚れ
minneの作家活動アドバイザー和田(以下、和田) お二人は、どこで最初にお知り合いになられたんですか?
カリーノぱんさん 最初は、nanacomaさんがInstagramに投稿していたうさぎのブローチに私が一目惚れしてしまって、コメントをしたのがきっかけです。
和田 イマドキですね!(笑)
nanacomaさん それをきっかけに、たまたま共通の友人である作家さんがいたので、3人で食事をすることになりました。すぐに意気投合して、それからはプライベートでも仲良くさせていただいています。
和田 仲良くなられて、お互いに良かったことや助かっていることなどありますか?
カリーノぱんさん 今回のコラボのように活動の幅も広がって、ひとりではできないことに挑戦できるのは、すごく嬉しいですね。
nanacomaさん 普段もLINEなどで連絡を取り合ってるんですが、「この新作どうかな?」とか、作品について相談をしたりもします。そういったコミュニケーションも楽しい活動に繋がっているのかなと思いますね。
和田 普段、毎日どのくらいの時間をかけて制作されていますか?
カリーノぱんさん 1日5〜6時間かけて制作しているときもあります。パン生地をこねて、発酵して、焼いてというのをひたすら何回も繰り返しています。今日のようなイベント前には、電気オーブンを10回くらい回しますね。
nanacomaさん 没頭していたときは、7〜8時間やっている時期もありましたね。
和田 おふたりとも、とても長い時間ものづくりと向き合っておられるんですね。過酷さ、大変さを感じられるときもあると思いますが、そういった作家さんの間でこそ生まれる絆もあるのかもしれませんね。
子育てと作家活動の両立
和田 nanacomaさんは、子育てをしながら活動されているとお伺いしました。
nanacomaさん はい。まわりの人からは、子育てがはじまると制作する時間をとるのが難しいと聞いていたのですが、いままで積み重ねてきたものもありますし、どうしても続けたい気持ちがあったんです。子どもを寝かしつけたあととか、子どもの前で歌いながら制作していることもありますね(笑)歌いながら作業していると、子どもも喜んで付き合ってくれるんですよ。いろいろ試しながら、なんとか続けられていますね。
和田 両立されるための工夫が素敵ですね。妊娠中も時間を見つけて制作されている様子をSNSで拝見していたので、陰ながら応援させていただいておりました。お子さんが生まれてから、ものづくりに対する想いなどは変わりましたか?
nanacomaさん これまでは1日に7時間かけることもあったり、自分の体を酷使しながら活動していたところもあったんですが、出産してからは自分の時間が取りにくいということを、体を休められる時間だとも捉えることができるようになりました。以前のように首とか肩を痛めることもなく、子どもと楽しく制作することができていますね。
和田 ご自身の体と生活のペースを大切に活動するのは難しいですが、とても重要なことですね。minneだけでなく、店舗やイベントでもご活躍されていて、ものづくりの場は広がるばかりだと思いますが、無理のないペースで続けていっていただけるとうれしく思います。
ひとつずつ、夢を現実に
和田 カリーノぱんさんは本を出版されたんですよね?
カリーノぱんさん はい、そうなんです。minneでの活動を通じて、「パン生地でつくる ミニチュアパン雑貨」というムック本を出版することができました。
和田 minneがすこしお役にたてたようで、うれしいです!反響はいかがでしたか?
カリーノぱんさん Instagramで感想をいただいたり、「実際につくってみました!」という写真を投稿してくださる方もいて、とてもうれしいですね。
和田 やっぱり反響がもらえると本当にうれしいですよね。nanacomaさんの今後の活動のご予定はいかがですか?
nanacomaさん いまは、子どもが中心の生活になっているので、可能な範囲内で頑張りながら、いつかこのようなイベントに娘といっしょに立ちたいなという想いがあるんです。
和田 わぁ、素敵ですね!とても楽しみです。
nanacomaさん お子さんといっしょに出展されている作家さんもたくさん目にするので、うらやましく思っています。
和田 素敵ですよね。今後もお体を大切にされつつ、ますますのご活躍を期待しています!
同時におこなわれた抽選販売会では、おふたりのコラボ作品も登場。素敵なコラボトークショーとなりました。
<2>すまいる工房*さんトークショー
2016年のハンドメイド大賞にて特別賞を受賞された、ミニチュアフード作家のすまいる工房*さん。「リアルだけど可愛いらしい」をコンセプトに制作されるミニチュアフードへの想い、ものづくりへのこだわりについてお話を伺いました。
ミニチュアフードとの出会いは「趣味さがし」
和田 すまいる工房*さんがミニチュアフードの制作をはじめられたルーツみたいなものをお伺いしたいのですが、どんなきっかけがあったのでしょうか?
すまいる工房*さん 出会いは、オーダーメイドで服をつくる仕事を友人とはじめたころです。もともと趣味だった洋裁を仕事にすることになったので、洋裁に代わる新たな趣味を見つけようと考えていたころ、インターネットで見つけたのがミニチュアフードでした。新しく趣味として迎えたのが、きっかけになりましたね。2003年ぐらいの出来事です。
和田 最初に出会った作品は、どんなものだったんですか?
篠原さん はっきりとは覚えてはいないのですが、「パフェ」とかだったと思います。昔からレストランの前に飾ってある食品サンプルとかが好きだったので、それがすごく小さくなっているのを見て「うぉ〜」と声を漏らしました。
和田 はじめてミニチュアフードを見ると、多くの方はそういう感じになっちゃいますよね。
すまいる工房*さん そうですね。こんなに小さなものを自分でつくれるんだ!ということを知りました。最初はパソコンでいろいろ調べながら、無駄な材料や道具もたくさん買ってしまいましたね。
「好きなことを続けて」
和田 お洋服から趣味だったミニチュアフードの制作にシフトされていったのは、どうしてだったんですか?
すまいる工房*さん 3年前までは、洋服やミニチュアフードをつくりながら子育てもやっていましたが、自分の中でどういう方向性で活動していこうかと悩んでいる時期でもありました。「外に仕事に出た方がいいのかな」とも考え、娘に「外に働きに出ようかと考えてるんやけど」と相談してみたんです。そのとき、娘が「絶対ミニチュアをつくることはやめないでほしい。お母さんが我慢するぐらいなら、私がやりたいことを我慢する」とまで言ってくれたんです。
和田 家族の方からそんなふうに応援してもらえるというのは、ありがたいことですよね。きっと、お母さんがものづくりをされている姿が本当にお好きだったんでしょうね。
すまいる工房*さん そうですね。その応援が、しっかりと仕事として頑張ろう、と決意させてくれました。
minneとの出会いはInstagram
和田 趣味からはじまったミニチュアフードですが、最初はどういったところで販売されていたんですか?
すまいる工房*さん そのときはイベントがメインでしたね。3年ぐらい前「世界中の人に見てもらえるから、Instagramをはじめてみたら?」と娘に言われて。娘に教わりながら、Instagramを使っていると、minneで販売されている作家さんを見かけて、そこではじめてminneの存在を知りました。
和田 娘さんがInstagramをすすめてくださって、そこでminneを見つけていただいたんですね。SNSの利用はすまいる工房*さんにとっても、ターニングポイントになったと思いますし、minneからも娘さんに表彰状を送らせていただきたいぐらいです(笑)
特別賞を受賞した「BENTO-Pierce(弁当ピアス)」
和田 当時から、いまのようなペースで作品をつくられていたんですか?
すまいる工房*さん 仕事としてやっていこうと決意した年に、ちょうどハンドメイド大賞の第1回の応募があったんです。なにかのきっかけになれば、と思い応募したんですけど、そのときは最終審査に残していただきました。賞はいただけませんでしたが、レセプションパーティーに参加させていただいて、賞を獲られた作家さんと自分自身を比較したときに、なにが足りないのかに気づいた点もありました。もし来年もあるなら、必ず応募しようと思い、翌年に応募させていただいたのが去年の「弁当ピアス」です。
和田 あの「弁当ピアス」は、スタッフの間でも話題になりました。審査員としてお越しいただいた外部の方や、篠原ともえさん、装苑の編集長などたくさんの方にもご覧いただきましたよ。とにかくすごいのがポテトサラダですね。もともと、すまいる工房*さんの作品の素晴らしさは知っていたのですが、あのポテトサラダには心を打たれました。きゅうりのスライスまで入っていて、リアリティを追求しながら、しっかり可愛いんです。授賞式のあとに、お話を伺ったら「普通にポテトサラダをつくる要領で、つくったきゅうりをスライスして混ぜるんですよ」と答えてくださって、そこにも感動したんですよね。料理もクリエイティブな作業なので、素材がちがうだけで「ものをつくる」というのは基本はいつも同じなんだな、と面白く感じたんです。
和田 すまいる工房*さんにとって、minneとの出会いは大きかったでしょうか?
すまいる工房*さん minneのハンドメイド大賞に応募していなかったら、ミニチュアフードをアクセサリーにしようという考えには、至らなかったかなと思います。アクセサリーにしたことで、たくさんのひとにミニチュアフードの世界を知っていただくことができて、私としても世界が広がりました。
和田 たくさんのひとに手に取ってもらう方法について、考えるきっかけとなったということは興味深いですね。多くの作家さんにとって、活動のヒントになるお話ではないかなと感じます。
自分自身の納得感をたいせつに
和田 特にたいせつにされている想いはありますか?
すまいる工房*さん 当たり前のことではありますが、「丁寧に仕上げる」というところですかね。すこしでも自分自身で納得のいかない部分があると、絶対にあとで気になってしまうので、結局つくり直しています。他の人から見れば、わからないほどの違いであっても、自分の中のこだわりをたいせつに、ひとつひとつ丁寧につくっていくことが、買っていただく方にも伝わるのかなと思っています。
和田
作品の完成は、突き詰めれば終わりがなくて、どこまで追求するかという世界になってくるものだと思いますが、そのこだわりとポリシーが作家さんのブランドになっていくのだと、改めて感じることができました。
人気作家さまの、「これまで」「これから」をじっくりうかがうことができた今回のステージ。みなさん、素敵なお話をありがとうございました!
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