鹿児島県奄美大島にて開催された「第2回あまみハンドメイドマーケット」。自然豊かな奄美ならではのハンドメイド作品が集まり、訪れる人たちのあたたかな笑顔が印象的でした。同時開催された「あまみハンドメイド大賞」の受賞作品とあわせて、当日の様子をご紹介します。
第2回あまみハンドメイドマーケット
昨年に続き、2回目の実施となる「あまみハンドメイドマーケット」。今年は奄美市の中心市街地・名瀬にある「奄美市AiAiひろば」で2月3日に開催されました。
地域の人たちの憩いの場として、小さな子どもからお年寄りまで、たくさんの人でにぎわう施設です。
開始直後からたくさんの方が訪れ、あっという間に会場は人でいっぱいに。
minneのトークイベント
午前は「minne」の生みの親である阿部と、作家活動アドバイザー・和田によるトークイベントを開催。
人気作家さんが誕生するまでの秘話や会場内の素敵なブースを紹介させていただきました。
目を引くブースたち
屋台のかたちをした炉〜irori*さんのブースは、会場でも話題に。ライトを使った光の演出が、より一層わくわくとした気分にさせてくれます。
壁に並ぶカラフルな靴下がとても華やか。タイツがハンガーで吊るされているところも、手に取りやすくてお買いものが楽しくなりますね。
会場内には素敵なブースがたくさん
作品を手にとりながら、直接作家さんとお話できるのもイベントの醍醐味。みなさん、たのしそうに会話を楽しまれていました。
第2回あまみハンドメイド大賞
さて、いよいよ「あまみハンドメイド大賞」受賞者の発表です。
今回は「大賞」「優秀賞」「しーま賞」「minne賞」「大島紬賞」「島ギフト賞」「審査員特別賞」「オーディエンス賞」の8つの賞をご用意しました。
審査員は以下の6名です。
・奄美市商工観光部 商水情報課・麻井庄二さん
・株式会社しーま代表取締役・深田小次郎さん、取締役・麓卑弥呼さん
・本場奄美大島紬協同組合青年部・金井志人さん
・minne事業部部長・阿部雅幸、作家活動アドバイザー・和田まお
コンテストの選考基準は「奄美の自然・豊かさ・時間を表現した作品」「オリジナルのハンドメイド作品」の2点のみ。
奄美大島だけでなく、加計呂麻島や徳之島からも作品が集まり、合計応募数は41名52作品。前年を上回る、たくさんのご応募ありがとうございました!
はじめに、奄美市役所 商水情報課の竹下課長よりごあいさつをいただきました。
「今年も作品が数多く出品され、またご来場の方がたくさんいらっしゃったことに大変感謝しております。今回応募のあった41人の作品はとても素晴らしい作品と聞いております。どうぞみなさまのご活躍を期待しております」
審査員の目も真剣
今回の「第2回あまみハンドメイド大賞」ですが、審査は前日の夜に行われました。どの審査員も、とても真剣ながら、作品を見る目はとてもキラキラしていました。
最終的には別の部屋にうつり、膝をつき合わせ、それぞれ作品のすばらしさを伝えます。熱い議論の末、受賞作品が決定しました。
受賞者の発表
大賞:増田珠美さん「大島紬の蝶ネクタイ」
当日の来場者投票によって決まる「オーディエンス賞」とのW受賞となったこの作品。
ハンドメイド歴は13年になりますが、その活動の仕方は生活にあわせ日々変わってきました。好きだからこそ、その時々の自分に合ったやり方でここまで続けてこれたのだと思います。今回は大島紬を使った作品で賞をいただきましたが、普段の作品もまわりのみなさんの声から生まれたものが多く、とても感謝しています。大島紬を絶やさないようにするにはどうしたら良いかを考えながらこれからもものづくりに携わっていきたいと思います。
優秀賞:押川健太郎さん 「パッションバター」
これまでもいろんなバターを食べてきましたが、こんなバターは初めてです!パッションフルーツの爽やかさとバターのまろやかさが、絶妙なバランスで融合しています。パンだけでなくお肉やお魚料理に合わせてみたいなと想像を掻き立てられるようなバターでした。奄美から全国に、世界に広がっていきそうなバターだと感じ、選ばせていただきました。
3年前、奄美の自然や食材に惹かれてこの島に戻ってきました。レストランをオープンし、島にしかない食材を研究しています。まだ誰も知らない味と魅力を伝えられるよう、これからもやっていきたいと思います。
授賞式後、おすすめの食べ方も教えていただきました!
パッションバターはパンケーキに塗って食べていただくのがおすすめです。スコーンにもとても合います。お肉で一番合うのは鴨肉ですね。ぜひ試していただきたい思います。
「しーま賞」受賞:久留みどりさん「ちぢんや」
こちらは、株式会社しーまから贈られる賞です。
事務所にこのドールハウスが運び込まれてきたときはみんなでびっくりしました。よく見ると、身の回りにあるものを利用してつくられていることがわかり、改めて感激しました。
すべて身近にあるものでつくっています。自宅にあるものや、工具売り場などをずーっとながめて、考えを巡らせています。何に使う道具かもわからずに作品づくりの材料として購入することも多いので、詳しい方が見ると驚かれるかもしれませんね。インテリアも好きなので、ひとつひとつの配置もたのしんでいます。
minne賞: 西奈美さん「奄美の森の木の実たちに囲まれて」
こちらは、minneから贈られる賞です
島の魅力がたくさん詰まった作品だなと思いました。最初に拝見したときからすごくエネルギーを感じましたね。フレームというと、絵や写真などを入れてたのしむものですが、この作品は「作品自体」を飾るような楽しみ方もできると思うんです。家の壁に飾るイメージが鮮明に浮かび、minne賞に選ばせていただきました
植物好きのわたしにとって、島の植物はとても面白いんです。今回もひとつずつ木の実を接着していきましたが、ひとつ加わるたびに可愛くて楽しくて、幸せな気持ちいっぱいでつくりました。これからももっともっと島の宝物をみなさんに知っていただいたり楽しんでもらえるように頑張っていきたいと思っています。
大島紬賞:川口美喜枝さんの「龍郷柄のバック」
大島紬の新たな可能性を感じられる作品に贈られる賞です。
奄美にあるものでつくられていて、「さねん(奄美の方言で月桃のこと)」の繊維や木から取った皮などで編んでいるというところに、繊維の複合にもつながる可能性を感じて選ばせていただきました。たくさんの可能性を今後も見せていただけることを楽しみにしております。
普段から、せっかく柄になった糸が余り糸として処分されるしまうことをもったいないと感じていました。その余り糸でなにかつくることができたら、という気持ちでつくりはじめたバッグです。
島ギフト賞:越間崇喜さん「NESARI CHOCOLATE(ネサリチョコレート)」
食品を含めた奄美のお土産としてぴったりな作品に贈られる賞です。
まずパッケージに目を奪われました。チョコレートはもちろん、パッケージもご自身で制作されているとのことで素晴らしいと思います。これをお土産として持ち帰って「かわいいね」と話しながら包みを開ける…そんな様子をイメージすることができ、とても素敵な作品だと感じました。
龍郷町の大島紬村でネサリチョコレートという無添加のBean to bar chocolateをつくっています。Bean to bar chocolateはカカオ豆から板チョコまで一貫して製造工程をするチョコレートです。多くの観光客の方や地元の方々に喜んでもらえたらと制作しています。
審査員特別賞:広島かずよさん「奄美(シマ)の宝もの掘起し」
徳之島にお住まいの94歳の方の作品です。当日は代理の方にお越しいただきました。
直接事務所までこちらの作品が届いたとき、夜の遅い時間でしたが疲れが吹っ飛びました。94歳の方のパワーと表現力を感じ、ものづくりの可能性を大いに選ばせていただきました。
本を出版したり貝殻やソテツなど島の宝物を集めて日夜、制作活動を続けている本当に活発な方です。今回賞をいただいて感激してとても喜んでいます。本当に尊敬できるおばあさんです。
受賞者のみなさんと記念撮影。みなさま、おめでとうございます!
今回大賞に輝いた増田さんへ贈られたオリジナルのトロフィーは、龍郷町在住の作家「KOSHIRAERU」さんに特別につくっていただいたものです。トロフィーに込めた想いを、しーまの深田さんより伺いました。
「奄美のものづくりを支えてきた大島紬。真ん中の球体は使われなくなった大島紬の織り機の一部で、それを大島紬の技法のひとつである”泥染”で染色したものです。前回は奄美のものづくりが世界に羽ばたくことをイメージしてつくられましたが、今回は世界に奄美のものづくりの精神の塊を投じてみたらどうなるか、というところを表現しています」
惜しくも受賞には届かなかったものの、最終ノミネートに残った方をご紹介します。
・泉幸二さん「六調太鼓」「大島紬紋ペンケース」
・迫田真吾、沙弥香さん「紬POP ―つむぎぽっぷー」
・三浦千文さん「奄美の彩り」
・赤木タケルさん「鉄皿」
・紬レザーかすりさん「Tsumugi tassel」
・嶺紀子さん「紬のミニランドセルリュック」
・濱田麻美さん「奄美大島採取」
・正親望さん「特別な日に。魅せる紬糸のアクセサリー」
数名の方に、ステージ上でお話を伺いました。
正親望さん「特別な日に。魅せる紬糸のアクセサリー」
結婚パーティーで着る白無垢に合うアクセサリーをということで紬の糸でつくりました。いろんな素材を楽しんでみよう思い制作しています。
赤木タケルさん「鉄皿」
大島紬を意識して鉄を使って編んでみたらどうかなと思ってやってみました。
迫田真吾さん「紬POP ―つむぎぽっぷー」
表現方法を変えながら若い人にも大島紬に興味を持ってもらえるようなかたちを考えてみました。
2日間で生まれた、たくさんの出会い
会場では、受賞作品だけでなくすべての応募作品が展示されていました。来場者のみなさんもとても興味深くひとつひとつじっくり見ていらっしゃいました。
急遽「審査員特別賞」が設けられるほど、たくさんの素敵な作品に出会うことができた2日間。「ものづくりが好き」「つくることが楽しい」という気持ちがストレートに伝わり、ハンドメイドの原点に改めて触れることができました。
奄美のみなさま、今年もありがとうございました!
期間限定で受賞作品を展示します
2018/3/3(土)~3/21(水・祝)の間、「minneのアトリエ 世田谷」にて、「第2回あまみハンドメイド大賞」の受賞作品を展示します。この機会にぜひ、実物を見にお越しくださいませ。
作品のクオリティがとても高く、また大島紬がこのようなファッショナブルなかたちになるんだという驚きをあたえてくれた作品でした。作品だけでなく、その見せ方も含めてとても素敵だと感じました。本日お越しいただいたみなさんも、作品のそのようなところに共感されたのかなと思います。これから日本中、世界中へと広がっていく可能を感じ、選ばせていきました。