プロフィール
増田 珠美さん
奄美市在住の作家を対象に作品を募集したコンテスト「第2回あまみハンドメイド大賞2018」にて、「大賞」と「オーディエンス賞」をW受賞。4月に開催する「minneのハンドメイドマーケット2018にも出展予定。
大賞作品「大島紬の蝶ネクタイ」
今回ご紹介をするのは、今年2月に鹿児島県・奄美大島で開催されたコンテスト「第2回あまみハンドメイド大賞」で、見事「大賞」と「オーディエンス賞」のW受賞に輝いた作家の増田さん。普段は「FUETA」として布小物を、「amaminokaze」として大島紬をモチーフにした作家活動をされています。今回の作品が生まれたきっかけやものづくりへの想いをお聞きしました。
受賞おめでとうございます!今回大賞に選ばれた「大島紬の蝶ネクタイ」はどのようにして生まれた作品でしょうか。
増田さん いつもちょっとした一言から作品が生まれることが多いのですが、今回の作品も親戚の子の「大島紬の蝶ネクタイがあれば買うのになあ」という一言がきっかけでした。「大島紬」との出会いも本当に偶然で、娘の社会の宿題で紬の成り立ちを勉強したことがきっかけです。そのとき紬会館に行って制作の過程をいっしょに見ていたら「こんなにすごいものなんだ!」と感銘を受けて、興味を持ちました。柄や色のバリエーションにも惹かれましたね。
蝶ネクタイが並んでいる様子が、とてもカラフルで素敵でした。
増田さん ありがとうございます。大島紬はもう手に入らない1点ものの生地が多いので、失敗してもいいように、1作品目は手に入りやすい黒無地からはじめることにしました。ひとつ完成すると、ちがう絵柄でどんどんつくってみたくなったことを覚えています。「織」としての素晴らしさももちろんですが、私は「かわいい」と感じることや「蝶ネクタイにしたときに映えるか」という感覚をたいせつに生地選びをしています。おもしろそうな生地を見つけたら、それに合う紬をさがしたり、逆にいい紬があったら、今度はそれに合う生地をさがしたり…といろんな出会い方があります。
生地選びも大いにたのしまれていますね。
増田さん 生地選びも大好きですね。作品をつくる工程の中で「どこがいちばん大変ですか」とよく聞かれるんですが、わたしは全部たのしくて。生地を選ぶ時点で、パッケージ用の箱選びも並行して行ったり、写真の見栄えを考えてディスプレイ棚も自作してみました。ひとつひとつの工程が本当にたのしいんです。
目標になった「あまみハンドメイド大賞」
あまみハンドメイド大賞に応募していただいたきっかけをおしえてください。
増田さん あまみハンドメイド大賞に応募したのは、ずいぶん遅かったと思います。この蝶ネクタイをつくっていく中で「これは出したほうが良いかもしれない」と自分の中で目指すようになりました。久々に布に触れたことがとてもうれしかった、というのも大きかったですね。
原動力は、支えてくれる人と「失敗」の数
今後の活動についておしえてください。
増田さん このような賞をいただいて、「本気モードに入らないといけない」と改めて感じました。私は恵まれていることに、お手伝いをしてくださる方もいらっしゃるので、充分な報酬をお支払いできるようしっかりと整えていきたいんです。主婦との両立ですが、集中して制作できるよう作業場を借りることにしました。いつかは会社のような、組織を目指してやっていきたいと思っています。
増田さん 今後さらに活動の幅を広げていきたいですね。どれだけ時間がかかるかわかりませんが、永く作家活動をしている経験を活かして、私のことを見てくれている方にとって参考になるような存在になりたい、と思っています。奄美市の活性化や作品の制作を通じた雇用に、貢献できるような活動がしたいですね。
その活動の原動力はどこから生まれるのでしょうか
増田さん 奄美市とminneが開催したハンドメイド販売に関する講座でお世話になっていたこともあり、絶対に作品をかたちにしなければいけないという気持ちがありました。以前minne mag.で私のペンケースを紹介していただいたとき、ありがたいことにたくさんの注文をいただき、ネットのすごさを本当に思い知らされたんです。どんどん注文が入ってく中で必死に制作をこなして、とにかく結果をちゃんとかたちとして残したいという一心でしたね。なにか私に特別なことがあるとすると「失敗の数」かもしれません。「ネットでは売れない」という印象を抱いていたときもありましたが、たくさんのフォローがあって今回の受賞や毎日の活動につながっているんだと思います。
期間限定で受賞作品を展示します
2018/3/3(土)~3/21(水・祝)の間、「minneのアトリエ 世田谷」にて、「第2回あまみハンドメイド大賞」の受賞作品を展示します。この機会にぜひ、実物を見にお越しくださいませ。