受注制作を開始するまでの道のりをレターします✉️

受注制作を開始するまでの道のりをレターします✉️

今回は、Decopoko が受注制作を開始するまでの道のりをレターしますね✉️ 裁縫などによる小物づくりを自分の仕事としたいと決意したのが2012年。子ども(現在特別支援学校中2男子)が幼かったので子育て中心の生活をしながら空き時間に思い付くものを次々を制作して技術の向上を目指し、2016年にSNS発信と minne をスタート。2017年個人事業として開業しました。 着物リメイクをするようになって10年以上が経ちますが「いつか受注制作ができるようになりたい」との思いは初期の段階から念頭に置いて来ました。全国のご家庭に眠る沢山のお着物が、この先々いずれかのタイミングで日の目を見ないままごみとして焼却処分となるのを想像すると、そうなってしまう前にリメイクで再び輝くお手伝いをさせて欲しいと願わずにはいられません。しかしすぐに受注制作を始められなかったのは、瞬発力で乗り切れる気が全くしなかったし、ある程度オートマチックなシステム創りが必要と感じていたからです。 とある貴重な経験をさせていただいたのは確か2016年。SNSで知り合った方からオーダーメイドを依頼されました。当時こちらから告知をしていた訳ではないのですが、私のハンドメイド活動を知り私のために良かれと思って個人的にオーダーしてくださったのです。 当時の私は「手づくり作家 Decopoko」として本格的に始業したいと歩み始め、制作するものがオリジナルであることの必要性を感じ、デザイン、デッサンから型紙造り、試作改良、制作工程の確立、微調整といった流れをこなして「Decopoko の作品」と納得して呼べるものの誕生を目指す作業をしていました。誕生したらそこでやっといくつか制作して販売できるという流れです。ひとつの作品が誕生するまでに思っていた数倍時間が掛かりましたが、こうやって「Decopoko の作品」と呼べるものを増やさなければ趣味の域を出ないと思ったし、いずれは「作品」ではなく「商品」が作れるようになるのが目標だと思っていましたので妥協することなく取り組みました。今思い返しても、時間はどんどん過ぎるのにほんの少しずつしか前進できないのは本当にもどかしかったですし、その状況が実は今現在も進行中だったりします。 そんな駆け出しの私へのオーダーは「予算はこれくらいで」と示していただいてからの小物ふたつの制作でした。とても断ることはできなかったのでそのふたつの小物を「後々商品化できるなら良い」と考え制作することにしました。案の定1からのスタートですので時間と材料費とで予算内には収まらず赤字ということに。そのことを伝えることは到底できませんのでやむなくご予算通りでお取り引きして終了。しかも特殊な条件をいただいての制作になったので商品化することも叶いませんでした。(が、とても喜んでいただけたのでそれは救いでした。) 本気で開業して商いとして成立させたいと思っていた私にとって、この経験は少々苦いものになりましたが、受注制作についてしっかりと考えなければならないと思える大切なきかっけにはなりました。この時点でお客様ひとりひとりのニーズに合わせたオーダーメイドは不可能との結論に至っています。なぜなら1から作るとはちゃめちゃに高額になるからです。当初から「袋状に縫って持ち手を付ける程度の手提げバッグを作りたい訳ではない」という頑ななこだわりを持っていたので、お客様からサイズ指定された袋物を作る気も起こらず、それをされている方は既にいらっしゃったので私の出る幕ではないと。そして既に市販されているものと同じバッグを制作することもしないと決めました。利休バッグなどがそれに当たります。着物を誂えた余り布で利休バッグを制作されている職人の方も既にいらっしゃいますので私の出る幕はありません。初期の初期には洋服へのリメイクもよぎりましたが作業スペースの関係で断念。ポーチもいくつか制作しましたが、見た目が小さな割に作業工程は多くてどうしても高額になり過ぎるのでひとまず制作休止。 自分が何を作りたいのか、どんな素材を使いたいのか、どういったお客様を想定するのか、商品開発をしながら発信活動も行い、SNSで勉強させていただき、自問自答しながら今現在の形にたどり着きました。 前回の「リメイクする素材となるお着物について」のレターに書いた「私が魅力ある資源だと感じている着物」をどうリメイクするのがベストなのか追求した結果、身近に置いていつも一緒に過ごせる日常に溶け込むものが良いと「バッグ制作」を選択しました。更に、せっかくリメイクしても再びクローゼットの肥やしになるのは避けていただきたいのでフォーマル向きではなく「普段使いできる」にこだわることに。和装バッグに使っていただいてももちろん良いのですが、着物というテイストもありながら気軽に洋服に合わせられるということを念頭にこれまで制作してきました。 「なるべく気軽に、なるべくリーズナブルに、普段使いできる」をコンセプトに据えたのです。広い世代の沢山の方々に気軽に使っていただけるよう、フォルムや使い勝手にこだわり、好みに合わせて選べるように数パターンのバッグを規格化し、ここまで試行錯誤しながら少しずつ増やしてきました。正直、こんなに時間が掛かるとは思っていなかったのですが妥協せず作り上げた結果です。 Decopoko の着物リメイクバッグを使用するということが魅力ある資源の活用となり、それを目にした方が思いがけない角度から着物の良さに触れられるよう、そして着物リメイク自体の良さも伝えられるよう、そういった連鎖の広がりで日の目を見ずに灰となる着物が減るよう、そんなサイクルを夢見て準備を進めてきました。いつか受注制作を始めたいとの思いは常にあり、ありがたいことにお問い合わせもいただけるようにもなりましたので、少しずつ自信も芽生え、何十個何百個と制作する中で腕も磨き、こだわりも定まり、そろそろスタートしたいと思えるようになりました。 1番苦労したのはリーズナブルにすることで、いかに自分のこだわりをクリアしながらリーズナブル且つ納得のいくものを作れるかは本当に我ながらがんばり抜きました。手間隙や付加価値を付けて高級なバッグにすることはとても簡単なのです。価格を上げるためのアイデアはいくらでもあります。でも価格を下げるのは難しいけれど努力は惜しまず考え抜き、試作も重ねてひとつひとつのバッグをこだわりながら誕生させました。私自身の納得の出来で価格はギリギリの線でというせめぎ合いの末の受注制作スタートです。 「長らく箪笥の肥やしだった」「譲る先もないし、譲る程のものでもない」「でもごみにするのは忍びない」私はそんなお着物たちが愛おしく、最高に魅力ある資源だと認識しています。もちろん何と言っても着物は着てもらえるのが1番!と思っていますので、リユース市場に乗せてあげてどこかの誰かの元へと運ばれ、再び着てもらえるならばそれは本当に素晴らしく幸せなことだと思います。また、呉服屋さんに相談すればご予算に応じて様々な選択肢もあります。簡単に諦めずに持ち込まれることをお勧めします。でもそれは叶わないとか、「そこまでは」とか思うのであれば、「Decopoko の活動を選択肢のひとつに加えて欲しい!」と言いたいです。 千差万別のバッグが溢れる世の中から Decopoko の着物リメイクバッグを選ぶ理由はあると思っていただけるよう準備してきたつもりです。なるべくお気軽に、なるべくリーズナブルに、大切な思い出と共に過ごせるバッグを丁寧に制作してお届けします。 今回は、手づくり作家 Decopoko が受注制作を開始するまでの道のりをレターしました✉️ 最後まで読んでくださりありがとうございました✨

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