ふと孤独を感じることがある。
僕はふだん一人で仕事をしている。人と話すのは月に二回ほど。
いつもは生きるのに必死で孤独を感じる余裕すらない。
そんな僕も真夜中に外を眺めると、無性に孤独を感じることがある。
「みんな、こんな孤独を抱えているのかな。」
静まり返った住宅街に点々と灯る明かりを見つめながら考える。
ある日、公園近くの川を歩いていた。
水面を漂うカルガモや、甲羅干しをするカメの親子を眺めるのが僕のささやかな楽しみだ。
「このカルガモたちも、孤独を感じるのかな。」
彼らはいつも群れで行動している。人間の目からは仲睦まじく見える。まるで孤独とは無縁のようだ。
人間の世界はどうだろう。
賑やかなショッピングモールでも、都会の雑踏の中でも、僕たちは孤独を感じている。まるで透明な壁が自分と相手とのあいだに差し込まれれいるように。
しかし、カルガモの視点から見ればそれは不思議なことかもしれない。
交差点をアリのように行き交う人々。
渋滞の中をまるで一匹のヘビのように進む車の列。
僕たちはいつも群れの中にいる。
それなのになぜ孤独を感じるのだろう。
もしかしたら孤独を感じる必要なんてないかもしれない。
僕たちは「人間」という大きな群れになり、この不思議な地球を一緒に漂っているのだから。
寂しさを持ち寄って一緒にゆらゆら漂う。ちょっと合わない相手がいたら、そっと別の群れへ移ってみたり。夜になればそれぞれの巣に戻って眠りにつく。
シンプルに、自分に素直に、そして軽やかに。
そう思うと、ドライブ中の景色も違って見えた。まるで、みんなで一緒に旅をしている気分だ。
ーーーーーーーーーーー
「BLUE MEMO – Wednesday Column」
週の真ん中、水曜日。ちょっと肩の力を抜いて、リラックス。そんなコラムをお届けします。
今回のコラムをテーマにしたグッズはこちら。
https://minne.com/items/42584144
https://minne.com/items/42702914
https://minne.com/items/42584161
https://minne.com/items/42584125