皆様ご無沙汰しております。
店主の弥光でございます。
今日は「謎の地図」について
お話をしたいと思います。
ある国に地図が三枚ありました。
黒地に緑や青色、黄色で書かれたもので
遥か昔に古書の蒐集家によって発見され
今もなお人々の心を捉える地図です。
明らかにその国の国土の形をした図なのに
書いてある言葉はその国のものではなく
果てはどの国のものでもない謎の言語です。
学者たちはその地図の文字を読もうと
必死になり何百年と研究を重ねました。
しかし誰一人として読むことは出来ず
現在に至っても解読は果たされていません。
皆の興味を強く惹きつける理由はもう一つ。
地図のところどころに光る点があるのです。
夜になると徐々に光り、日が昇ると消える。
どういう原理で光っているのかこれも謎。
蛍のように星のように点滅する光は
電気や火ではないため何をしても消えず
こちらから光らせることは不可能なので
研究をする時間はもっぱら夜に限られました。
地図から信号を送るように光るその点には
何か宝物があるように見えるでしょう。
多く探検家が点が示す場所へと旅に出ました。
しかしそこには何も特別高価なものはなく
一体何を意味する地図なのか議論が止まず
誰かの手の込んだ悪戯ではないか?と
最後は匙を投げてしまうのでした。
しかし何度でもどこかの誰かが
また探求しようと話題に上げる日が来ます。
それは、地図自体がこの世界にある
どの物質とも違う何かで出来ているからです。
古地図といえば紙を連想しますが
言い換えるなら艶のある黒い硝子を薄く伸ばし
板にしたようなもの…に見えるそうです。
宇宙から飛来したのではないか、
では何故この国の地図なのか、
誰が、いつ、何のために、
どういう意図で作ったのか…、…、
我々に理解できる日は来るのでしょうか。
その日まで、いえ、その日が来てもずっと
引き寄せたい何かを求めるように光る
この地図は存在し続けるのでしょう。
それでは、又。