透明になれない ぼくたちくらげたち

透明になれない ぼくたちくらげたち

今までクラゲモチーフの作品をいくつか作りましたが、どうしてもうまくいかないことがひとつあります。 それは、透明感を表現すること。 そもそもなぜ透明感を出したいかというと、それがクラゲの魅力のうちの一つだと思うからです。 柔らかそうな見た目+たくさんある脚のような触手+ゆったりとした、時には忙しない往復運動+その他もろもろ。 その数多ある魅力のひとつが透明感で、どうしても手芸で表現したいのですが、うまくいっていません。 以下に、うまくいかない理由を列挙してみます。 (あくまでも作り手である私の感覚です) ・ビニールと、球体のような曲線のある物体との相性が悪い 球体を裁縫で作るときは、トマトのくし切りのような形を何個も作ってつなげるのですが、 それをビニールでやると、どうしても切れ目・縫い目が目立ってしまいます。 切れ目を上から布で覆っても違和感は無くなりませんでした。 これについては、「ビニールを型に乗せて加熱すれば、縮んで縫い目なしに球体ができるのでは!?」 と考えたのですが、そうなるともはや手芸ではなく工作では……。 生活に余裕ができるか、逆に人生に絶望して「私にはもうクラゲ作りしか残ってないんだ!」と思ったら実践します。 ・透明感を出すための材料であるビニールと、繊維状の物との見た目の相性が悪い ビニールは柔らかさを出すために必要だと思うのですが、それに毛のような見た目のものが重なると、 まるでガラス窓の窓枠にホコリが溜まっているような、掃除をしていないような印象を受けてしまいます。 それに、ビニール自体も指紋などで汚くなり透明感が失われやすいことに気づきました。 ・ビニールとミシンとの相性が悪い。もうびっくりするぐらい最悪 ビニールの上にフェルトを置いてミシン掛けした場合、ミシンの布を載せる面にビニールがくっついてしまい、 通常の時のように布が送られません。上下を逆にすると、今度は押さえ金の方にくっついてしまいます。 それを防ぐために、ミシンとビニールの間に紙をはさんで、縫った後に手でちぎったり、 ミシンから押さえ金を取り外して、代わりに竹定規を使って手で押さえたり……。 もう、めちゃくちゃ面倒くさいです。でも手縫いだとさらに面倒な上、縫い付けが不安定になってしまいます。 以上のような理由で、一度は妥協してレジン製のカツオノエボシを作ったりしましたが、 何をしても、未達成であることへの心残り、そして私のクラゲに対する熱意は変わらないので、 これからもクラゲ作りは続けていくつもりです。 そういえば以前ハンズで、スクイーズの材料になる発泡ウレタンスポンジを見かけたので、 これに布を縫い付ければ、 (以下、私の頭の中で永遠に続く……)

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