新しいものを制作していると、どうしても失敗を繰り返してしまいますが、
私が裁縫をしているときは、その失敗も楽しいことだと思っています。
改善すればするほど、想定していた魅力的な作品に近づくのですから。
まあ、費用も納期も自分で決められる状況だから言えることですね。

今回のそれは『エアコン』です。
試作品の上のものより、完成品の下のものの方が、なんと魅力的なことか！


失敗しても 楽しいことを

（画像は『ウツボの布製指輪』の初期段階の企画書です）

私が作品を作るとき、常に『梱包を最低限にし、送料を最小にすること』を考えています。

子供のころに、よくコミック本を買っていたのですが、コミック本には帯やリーフレットが付きものです。
少ないお小遣いからお金を出して買うのだから、買ったものはできるだけ大事にしたいです。
でも帯やリーフレットは、コミック本の内容とは関係ないものですよね。なのですぐに捨てていましたが、
お金を出して買ったものの一部を捨ててしまうのは、いつも納得いかなかったのを覚えています。

その経験があったので、私の作品には”作品以外の部分になるべくお金をかけない”ようにしています。
ビニール袋は一切使わず、袋を使う必要があっても、
安っぽい見た目の、いかにも『価値がありませんよ』と主張するような袋を端材で自作し、使っています。
購入された方のためと言うより、完全に自分の都合ですね。


で。

今回『超節約！ウツボのぬいぐるみ』という作品を思いつきました。
ただのウツボのぬいぐるみだと、サイズの問題で高い送料を払う必要がありますが、
ぬいぐるみに綿を詰めずに発送し送料を節約、そして購入された方がご自分で１００円ショップなどで綿を買い、
好きなようにウツボに綿を詰めれば、購入者さんの出費の総額が抑えられます！


……そんなもの誰が買うんでしょうね。
製作者の私の都合に合ってはいますが、どなたにでもお勧めできる方法ではありません。
とりあえず作品ページだけでも作れるならいいのですが、それには完成品を制作する必要があり、
限りある高価な生地を使わないといけないため、まだ作っていません。

思いつきを闇に葬るのも勿体ないので、一応書き留めておきますが、
……まあ、私のウツボ熱が再燃したら作るかもしれませんね。

『超節約！ウツボのぬいぐるみ』は作っていません

この半年くらい、ずっと公衆電話の受話器部分を試行錯誤で作ってきましたが、
これからようやく公衆電話本体に取り掛かります。

で、

本体前面を、他の作品と同じく刺繍で作ろうと思っているのですが、
そのための図案など公開されていないので、自分で作る必要があります。
前面は公衆電話の型によって描かれているものが違うので、
自分で撮った写真をもとに、方眼紙にちまちまと描き起こしていました。

それを今回公開します！こちら！というか一番上の画像！


自分でも不思議ですが、こういう作業ってとても楽しくて、
何時間でも何日でも続けられます。……腰痛・腱鞘炎がなければ。
レタリングとか筆耕とか、もっと一般性のあるものであれば仕事になるのですが、
こんなものではお金になりません。でも私には必要なので作っています。

ちなみにこの画像はコピーして自由に使ってもらって結構です。
連絡も必要ないですが、もし何か創作したなら見せて欲しいです。


（と思ってたけど画像がA4サイズで表示されないじゃないか……）

レタリング大好き！

まず、なんで作品を作品ページではなく、ここで紹介するかというと、
なんというか、画像から伝わる魅力が、公開に足りない気がしたからです。
頑張って作った作品ではありますが、試作品なので材料はあり合わせ、写真も適当。
アイデア先行の作品なので、別に堂々と公開しなくても、こっそり出してもいいかな、と思った次第。


改めまして、作品紹介を。

『有明海のエイリアン』とも称される、独特な見た目の魚”ワラスボ”をモチーフにした、
……えーと、…な、何かです…。なんでしょうね、これ…。
ワラスボについての紹介は割愛します。ネットで調べてね。

ワラスボに関連する作品を作ろうとして、ネットで資料を漁っていたのですが、
大きな特徴が２つあることを知って、どちらを取り上げるか決められなくなってしまいました。
なので、思い切ってカラーリングも２種類にして、それぞれ別の作品として作ろうと思ったのですが、
片方が没になりました。それがこちらの『くっつく！指ワラスボ』です。

こちらは、ワラスボの特徴の一つである『お腹にある吸盤』に着目し、
実際に吸盤を縫い付けた、ぬいぐるみ？かなにかとして制作する予定でした。
お腹の吸盤で壁やガラスにくっつけて、ペン立てにできるよう空間をあけてあります。
型紙も作って、試作を重ねたのですが、どうしても乗り越えられない壁が。　


くっつかないんです、この吸盤。


壁の表面を濡れティッシュで拭いてくっつけても、数時間後には落ちている。
１００円ショップで買ってきた吸盤がいけないのか。でも作品の価格は上げたくない。
そもそも吸盤がくっつくかどうかは、私の裁縫の技術とは関係ないではないか。
そう思って、完成させるのはあきらめて、こちらにこっそり公開。略してここっこ。

結論として、
『くっつく！』という名前なのに『くっつかない』ので、作品として公開するのはあきらめました。
ただ吸盤のネタはいいと思うので、もう一方のワラスボ作品の方に統合することにしました。
この文章を書いている時点では製作中です。

くっつく！指ワラスボ

このレターを書いている時点で、私は現在、実物大の公衆電話のぬいぐるみを製作しています。
私はマシン好きで、固いものを柔らかいぬいぐるみにするのが好きなのですが、これもその一環。
で、全行程の1/4くらい出来たところで、作り始めてから今までの日数を調べてみたのですが、
なんと前回の作品を完成させてから、2か月半も経っています……。

主な原因がこれ。ページ上部の写真。
こちらは受話器につながる”くるくるコード”と、電話の顔の”前面パネル（まだ途中）”です。
（名前は便宜上つけたものです）
こいつらが、ほんっとに大変なんだ。手縫いなので。刺繡もしてるので。

試作を何度もしていて、手間がかかるのは分かっているのですが、
これらはぬいぐるみの大切な部分なので、省略できません。
頑張って作りますが、手芸店にこの２つがパーツとして売ってたら買っちゃいますね。
7,000円ぐらい出せる。であとは自分で作って12,000円で売るの。


愚痴ってしまいましたが、そもそも製作する理由は「私が欲しいから」なので、
販売するつもりではありますが、需要が無くても作ります。

公衆電話を一台作るのに10ヵ月かかるかもっていう話

御覧の写真は、新作の『十三面待ちネックレス』です。……大失敗しました。

近所の中古屋で、麻雀牌のセットを５００円で売っているのを見つけたので、
元日の暇な時間を使って作ろうと思っていたのですが、
３が日を使っても完成せず、しかも設計に無理があってうまくいきませんでした。
……軽い気持ちじゃなく、もっと計画して作っていれば失敗しなかったのに！

麻雀牌を首に飾るなんて、私以外に需要が無いと思うのですが、
私が作りたいので、またの機会につく、つく……つく、ることがある可能性がゼロではないかと……。

ストレス解消のために裁縫する。そしてまたストレスを溜める

『空の巣症候群』という言葉があります。
子育てをしている家庭において、子供が独立して家庭が夫婦だけになってしまうと、
喪失感や生活の変化から心身に不調をきたす、というものです。


私の話をすると、
おかげさまでここ１か月の間に、いくつかの作品が立て続けに売れていき、
今年初めに立てた目標が達成できました。
売れたものは、主に公衆電話のぬいぐるみ系の作品ですね。

この公衆電話のぬいぐるみは、何年も前から試作を始めていて、
本製作・完成に至るまでとても時間がかかりました。
時間をかけて作ったのに、いなくなるのはあっという間。
嬉しいことではありますが、なんだか寂しさも覚えます。

作品が売れると材料費を回収でき、次の作品を作り始めることにつながるのですが、
このハートに穴が開いたような感情は、まるで空の巣症候群。
いや、電話がなくなったのだから、これは”空の電話ボックス症候群”だ！
タイトル回収。


ちなみに現在、私の手元にある公衆電話関係は、一番上の画像のふたつ。
縫い方の実験のために作った左と、最初に実物大にした右です。
これらは販売していないので、もらわれていくことはないのですが、
手元にあったらあったで、材料取りのために分解します。

空の電話ボックス症候群

今までクラゲモチーフの作品をいくつか作りましたが、どうしてもうまくいかないことがひとつあります。
それは、透明感を表現すること。

そもそもなぜ透明感を出したいかというと、それがクラゲの魅力のうちの一つだと思うからです。
柔らかそうな見た目＋たくさんある脚のような触手＋ゆったりとした、時には忙しない往復運動＋その他もろもろ。
その数多ある魅力のひとつが透明感で、どうしても手芸で表現したいのですが、うまくいっていません。

以下に、うまくいかない理由を列挙してみます。
（あくまでも作り手である私の感覚です）


・ビニールと、球体のような曲線のある物体との相性が悪い

球体を裁縫で作るときは、トマトのくし切りのような形を何個も作ってつなげるのですが、
それをビニールでやると、どうしても切れ目・縫い目が目立ってしまいます。
切れ目を上から布で覆っても違和感は無くなりませんでした。

これについては、「ビニールを型に乗せて加熱すれば、縮んで縫い目なしに球体ができるのでは！？」
と考えたのですが、そうなるともはや手芸ではなく工作では……。
生活に余裕ができるか、逆に人生に絶望して「私にはもうクラゲ作りしか残ってないんだ！」と思ったら実践します。


・透明感を出すための材料であるビニールと、繊維状の物との見た目の相性が悪い

ビニールは柔らかさを出すために必要だと思うのですが、それに毛のような見た目のものが重なると、
まるでガラス窓の窓枠にホコリが溜まっているような、掃除をしていないような印象を受けてしまいます。
それに、ビニール自体も指紋などで汚くなり透明感が失われやすいことに気づきました。


・ビニールとミシンとの相性が悪い。もうびっくりするぐらい最悪

ビニールの上にフェルトを置いてミシン掛けした場合、ミシンの布を載せる面にビニールがくっついてしまい、
通常の時のように布が送られません。上下を逆にすると、今度は押さえ金の方にくっついてしまいます。

それを防ぐために、ミシンとビニールの間に紙をはさんで、縫った後に手でちぎったり、
ミシンから押さえ金を取り外して、代わりに竹定規を使って手で押さえたり……。
もう、めちゃくちゃ面倒くさいです。でも手縫いだとさらに面倒な上、縫い付けが不安定になってしまいます。


以上のような理由で、一度は妥協してレジン製のカツオノエボシを作ったりしましたが、
何をしても、未達成であることへの心残り、そして私のクラゲに対する熱意は変わらないので、
これからもクラゲ作りは続けていくつもりです。


そういえば以前ハンズで、スクイーズの材料になる発泡ウレタンスポンジを見かけたので、
これに布を縫い付ければ、

（以下、私の頭の中で永遠に続く……）

透明になれない ぼくたちくらげたち

問題です。『東海地域』に含まれる県をすべて答えてください。
はい、正解は、岐阜・静岡・愛知・三重、の４県でした（ゆうパックのエリア分けより）。
……ええと、私はまったく分からなかったです。

このレターを書いている現在、価格改定のお知らせがあったので、ゆうパックの送料を書き換えています。
私の作品は小さいものが多いので、大きな影響は無いのですが、小さな影響はあります。
しかし、最大の問題は私が『どのエリアに何県が含まれるのかよく分かっていないこと』です。

いろんなサイトにアクセスしながら書き換えましたが、
もし送料の記載を間違えていたのに気づかれましたらお知らせください。
万が一、作品を購入し支払いが済んだ後に多く請求しているが分かりましたら、おまけを付けることで対応いたします。
あるいは、実際より送料を安く請求していた場合には、……よかったね！


トップ画像はインスタにアップした『指が９本あるひとが出すじゃんけんのチョキ』

私に社会科地理の話をしないでくれ…ください！

初めに、能登半島地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。
一日でも早く日常に戻れるようお祈りするとともに、微力ながらお手伝いさせていただきます。


さて、私の話。
昨年は早々にその年の目標を達成してしまったのですが、下半期はあんまり順調にはいきませんでした。
目標達成の要因はそれまでの積み重ねが結実したことなのですが、その後は成果の出ない製作ばかりしてしまったので、
今年は目標達成しても、それに満足しないように心がけます。

今年は『実物大 公衆電話のぬいぐるみ』の再販を予定しています。といっても製作はこれからですが。
以前にレターで「一個作るのに10ヵ月かかるかも？」という話をしましたが、
その時から成長した（であろう）私が作ったら、もっと効率よく製作出来るかもしれません。
出来ないかもしれません。

で、ここで悩みをひとつ告白します。以前にもあったのですが、過去に作ったものをいま再製作しようとなったときに、
その時はお店に並んでいた材料が、いまは並んでいないことがたまにあるのです。
現在のところ公衆電話の材料はまだお店にあるのですが、
もしかしたら将来、材料が無くなって生産終了になるかも……。

専門店で高い材料を求めることも出来ますが、以前読んだ経済関係の本に、
「品質ではなく価値を提供するのが大事」と書いてありました。
つまり高い材料を使って高い商品を売るより、そこでしか作れないものを作って売るべきだそうなので、
……いや、いま言い訳をしました。私が高い材料を使うと気後れしてしまうのでやりたくないです。


ちなみに、今年最初の作品は、上記の材料売り切れ問題により、掲載して売り切れたら廃番になります。
ただ私はこの作品を気に入っているので、それより手に入りやすい材料と少ない工程で作る、
言わば『廉価版』は作るかもしれません。
ですが、知らない間にお店で材料が再版されているというのが一番の理想。そうなるといいね。


ちなみに画像は、年末年始の休みに作った『ミニ太陽の塔』、フェルト製です。
以前作った『パペット 太陽の塔』を添えて。

今年初めの悩みは今年終わりまでに解決するのか？という話

まずはお知らせ。
今年に入ってからminneの方はまっったく更新していませんでしたが、
Instagramの方では週に一度の製作日記を更新しています。
現在製作中の作品の情報を中心に写真やたまに動画も投稿していますので、
気になったらご覧くださいませ。リンクはプロフィールのタブにあります。

で、本題。
インスタの方では製作日記の他に『案を出すだけでたぶん作らないシリーズ』も投稿しています。
更新は不定期ですが、基本的に私はその手の妄想が黙っていても湧き出すタイプなので、
書かないだけで常に考えています。
今回は、インスタには載せていないものをご紹介。

フェルト製の凶器、名付けて『やわらか めりけんさっく』です。
私が欲しいのですぐにでも作りたいのですが、なぜ案だけで作らないかというと、
『私は新しい作品を作るとき、何度も試作をして時間を掛けるから』です。

……やー、私がもう一人いればいいのに。
私が生活のために労働している間に、もう一人の私には製作をしてもらいます。
いや、もう三人いてもいい。効率化のために分業する、なんてことはせず、
各々に好きなように創作してもらい、たぶん完成品になるのは２０％弱くらいでしょう。



……minneの方は写真が載せづらいな！

フェルト製の凶器を、たぶん作らないっていう話

こんにちは。手芸作家のWalking-Eyesです。
以前からお知らせしている通り、Instagramの方で週に１回の製作日記を公開していますので、
この場は個人的な作家としての方針や方向性を書く場にしようと思います。


これを書いている時点での私は、１年近くかかっていた作品がようやく完了したところです。
ただ、その約１年の中で社会において「どうしてこんな結論になるんだ？」と思うことが多々ありました。
主に政治的な話なので、零細作家の私には全く関係ない物事のように思われるかもしれませんが、
政治に関係ないひとなんて、この世にただひとりでさえ存在し得ません。

私の場合、いちばん無視できないのは『差別に関係する』ことです。
私自身は特に差別の対象になるような性質があるわけではありませんが、
幼いころから『自分は周りと違っている』という自覚があります。
ヘンな作品を作っているのも、自分の欲しいものが市販品にない、という『違い』によるものです。

この文章を読んでいる方が「〇〇は差別されるべき・差別されても仕方がない」という考えをお持ちなら、
ぜひ考え直してください。差別が許されるのは『差別をすれば問題が解決する場合』のみであり、
世界の歴史上、差別によって解決した問題などひとつもありません。
差別とはつまり、『個性を否定する事』です。

もし、その人の人生において差別が重要な役割を果たしたのなら、
例えば『差別を口にしたら心が軽くなった』とか『困っているときに助けてくれたのが差別主義者だけだった』であれば、
私はその人の個人的な体験を否定する事はできません。私だってとても落ち込んでいるときに、
小林克也さんの”ベストヒットUSA”を観て勇気づけられた経験があり、克也さんのことが大好きです。面識ないけど。

ですが、もしあなたが何かつらい状況にあって、その時に見た文章が差別を肯定するものであったら、
内容を信じる前に、それがあなたの個性や人生を肯定するものか、他人の個性を否定するものではないかを考えてください。
そして、ひとりのウツボやらクラゲやら公衆電話のぬいぐるみを作っている、
ヘンな手芸作家がいることを思い出してください。


ちなみに、当初は『（差別に対抗する）手芸作家』にあたる英単語として "Sewer" と書こうとしたのですが、
調べたら Sewer って『下水道』って意味なんですね……。
代わりに "Sewings（縫製品）" を使ったら、スペルミスを示す赤い波線が出るのですが、
"Ｉ"の位置が揃ってバランスがいいので、このまま使います。

WALKING-EYES うつぼ＆マシンのぬいぐるみ

WALKING-EYES うつぼ＆マシンのぬいぐるみのレター一覧