コンテンツ作りとモノ作り

コンテンツ作りとモノ作り

私は4年前からショートアニメーションの分野で色々な国の映画祭に参加しています。 これまで基本的には、モノづくりではなく、コンテンツ制作が興味の中心でした。 ところが、2年前、アニメ制作の新しい手法としてソフトパステルを始め、グループ展等でポストカードなどの物販もやってみたところ好評をいただき、購入してくださる方もかなりおりました。 これを機に、映像制作用に描いたものを製品デザインに応用することに興味が湧き、ポストカード以外のものの制作にも取り組むようになりました。 地元の私設ギャラリー様からも、個展のお誘いと並行して、ギャラリーショップ開設のため委託販売品を提供して欲しいという依頼がありました。 ギャラリーショップは、できるだけ幅広く色々なアイテムが並んでいる方が楽しいので、この依頼を機に、ほかにどんな製品に自分の作品を活用できるか真剣に考え始めました。 コンテンツ作りは、原画制作の段階ではモノ作りの要素もあるとは言え、概ねデジタル処理ですべてが済んでしまう世界です。 映画祭の審査への応募も、以前はテープに焼いて事務局に出品するのが必要なこともありました。 しかし、今はポータルサイト経由で電子的コミュニケーションというのが主流です。 そのため、製品作りを始める前は、モノ作りというものが、感覚的にほとんどわかっていませんでした。 実際に始めてみると、製品サイズ、生地や紙の品質、プリントの色味、カラーバリエーション、余白の処理、額装、パッケージ、梱包等々、コンテンツ制作では全く気にする必要がなかった多くのことについて、新たに検討が必要になりました。 さらには、ギャラリーさんの売り上げに少しでも貢献できるよう、いわゆる「売れ筋」の予測、見極めといった仕事にも対応しなければなりません。 不慣れなことばかりですが、検討に検討を重ね、試行錯誤しながら製品を完成させ(あまりの業務の多さに、たまに肩で息してます…^_^;)、現物を手にした時の喜びは大きいです。 そして、自分が作ったモノを、ほかの多くの選択肢がある中、選んで使って下さる方がいらっしゃることも、コンテンツ制作の分野では知ることができなかった喜びです。 最近、地元のギャラリーさんで行われているコンペ兼展示イベントで、こねこぐるぐるトートバッグが、勝者の方への景品として採用されました。 猫好き&バッグ好きの方にお迎えしていただけるといいなと思っています。

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アニメーション作家

ねこのおなか
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