看板犬闘病記④ 経緯〈再発~2度目の手術〉

看板犬闘病記④ 経緯〈再発~2度目の手術〉

【11月2日】 ・C病院受診。  データを見たうえで、これは取り残しなのか、再発なのか。  再発ならば繰り返すだけなのでもう無理だと思うが、取り残しだった場合、再手術すれば取り切れるのか、相談。  C病院のDr.は、やはり手術直後の画像がないことから、明言を避けました。  が、私達が諦められないのだろうという気持ちを察し、自分が週一で勤めている東京のE病院の神経科を紹介して下さいました。 【11月7日】 ・自宅に来客。子犬の頃から親しんでいる方なので、一緒にラグに隠したクッキーを探したり、音の鳴るオモチャで遊んだりと楽しむ。  たまに痛がり、痛みからか耳掻きが頻繁な以外は、ほとんど以前に戻って元気な現状に、複雑な想い。 【11月9日】 ・東京のE病院受診。  こちらでも、手術直後の画像がないことから、明言はしないが、この短期間で良性腫瘍がこれだけの大きさに再発するとは考えにくい。 最初の手術をしたB病院についても、『よく知らないんだけど…』と言いつつ、取り残しの可能性を支持している雰囲気。  取り残しであれば、私達が考えたように、取り切れば生命を延ばせる、と、再オペを勧められる。 とりあえず、放射線治療で腫瘍が小さくなる可能性もゼロではない(良性腫瘍には、放射線は効きにくいらしいですが)ので、次回MRIを撮り、それから決めることになりました。 ・今、元気なのに、走れるのに。  前回の経験から言えば、あと半月なのか、ひと月なのか、はたまた数日後なのか。  必ずくる、麻痺、激痛、介護負担。  最初の手術以来、介護負担が体に来て、私も頸椎の痛みで整骨院通いになりました。  それを考えたら、再オペか。  オペによる死亡リスクや、逆に神経を傷つける事による麻痺が残る可能性も説明を受けると、どちらを選ぶべきか悩みます。 【11月16日~18日】 ・ハルが歩けるうちに、もう一度旅行に連れて行ってあげたい、と思い立ち、何度か行っている長野の貸しコテージへ。  本当は18日から冬季休業の予定だったようですが、リピなのもあり、快く受け入れていただきました。  ドッグランで走り、紅葉を愛でる。  そんな幸せなひと時を過ごせました。 【11月20日】 ・ハルも大好きなお友達と、ハルのお誕生日会。  楽天で初めて、似顔絵ケーキを購入しました。 結構大きくて、市販のワンコケーキより余程割安!もっと早く、もっとたくさん、食べさせてあげれば良かった(T_T) 【11月24日】 ・E病院でMRI検査。  前回摘出したのと同等か、それ以上のサイズ。  これで、今これだけ元気なのはむしろ奇跡と言われました。  腫瘍が神経を巻き込み、かなり癒着しているので、生命の危険を守るには、全部を取り切るのは難しいが、50%以上は取れると思う。  かなり大きいので、一度目の手術で広げた骨の穴の大きさでは取り切れない。  更に大きく削り、そこが外れないようにボルトで固定するという、2段階の手術になります、と。  死亡リスクは20%程度だが、麻痺になる可能性もあり、その金額、ざっと150万。  誤診でヘルニア治療を始め、手術・放射線治療にかかったのとほぼ同じ金額です。  バカみたいでしょ?ただの雑種に、合計300万!  でも、引けなくなるんですよ。  こんなにお金をかけてきたんだから、ハルがこんなに頑張っているんだから。  そして、あんなに頑張らせたのに、術後CTを要望しなかった為に、一度で腫瘍を取りきってあげられなかった、自責の想いで。  老後の積み立てを下ろし、手術を決めました。  たとえ麻痺になっても、ハルが痛くないなら、苦しくないなら。それに賭けて。 【12月3日】 ・術前管理のため、午後からE病院入院。  送り届け、私達は帰宅。 ・手術様式色々検討し、負担を考えて、2段階手術はやめて、なんとかボルトを入れずに済む範囲の穴で行うとのこと。60万近く予定より安くなったので、ちょっとホッ(笑) 【12月4日】 ・13時~手術開始  私達は12時に東京へ来て、近所で時間を潰しながら待機。  21時半、車中で待つのがあまりに寒く、病院へ行ってみたところ、まさに終わったばかりのぐったりしたハル発見。  『思った以上にしっかり取れた』と、Dr.は満面の笑み。少しずつ、本当に少しずつ、切除してはMRIで確認して、を繰り返して手術して下さっていました。  その更に1時間後、撮り終えた画像と共に説明を受けました。 画像上、8時間に及ぶ手術で、腫瘍はほぼ取り切れていました。 こんな大変な手術をして下さったDr.に、そしてそれに耐えたハルに、心から感謝の気持ちでいっぱいになりました。  術後、1週間は入院ということで、前回の翌日退院とのギャップに驚きました(笑)  まぁ、自宅で急変しても、通院に時間がかかるのでね。  以前の失敗を繰り返さないよう、退院日まで面会はガマン!毎日様子伺いの電話をすることにしました。 【12月5日~12日】 ・5日、手術翌日、呼吸障害はなさそう。  自力で立ち上がることはできず、立たせるとなんとかちょっとだけ立てる。足は反応するので、完全な麻痺ではなさそう。  術後の痛みから、食欲はない。 ・6日、立ち上がれるようになる。  左足の前後は覚束ないが、術中に神経を触り、腫れているからか、と。食事拒否。 ・7日、立位を保持する練習開始。  食事は口元に持っていくと、少し食べる。 ・8日、左側は力入らず。昨日よりは食欲+。 ・9日、後ろは頑張って突っ張れるようになってきたが、前足に力入らず。食欲+。  大分病状安定したようなので、次のTELは2日後に。 ・11日、ぎこちないが、ふらつきながら自力で歩けるようになった。食欲+。  退院日13日に決定。 【12月13日】 ・夕方退院、前回と同じく、東京により近い実家で、週末まで過ごす。  二度目の手術は時間も長く、体力も消耗したのでしょう。  立てるようになるまでの、リハビリの経緯を考えても、入院期間が長いのも納得でした。 ・退院後も、かなりふらつきが強く、回復までには時間がかかりそうな感じでした。 【12月21日】 ・C病院受診、血液検査、結果は良好。 【12月22日】 ・E病院受診、抜糸。 ・Dr.が微妙な顔をしていると思ったら、切除部位の組織検査(わざわざ、信頼できる東大の研究所員に頼んでくれたらしいですが)の結果、髄膜腫ではなかった!  どうやら、末梢神経が何等かの原因で炎症を起こし、束になって腫瘍状になっていたとのことでした。  Dr.には、あんなに頑張って下さったのにと、申し訳なくなってしまいました。 ・脳腫瘍は相当な件数をこなし、かの珍しい髄膜腫でさえ4件目という、東京のベテラン高度医療Dr.が、『この症例は聴いたことがなく、恐らく今までに報告もないので、学会で発表させて下さい』と、おっしゃっていました。  ハルの病気が、後のワンコ医療に役立つなら、いくらでも使って下さいとお返事しました。  その段になって、今更のように、『千葉の医療仲間に聴きましたが、B病院は評判の良い病院のようで…』と(^_^;)  取り残しじゃない!と判明するまで、取り残しと思い込んでいたのでしょうね。 ・問題なのは、神経を取ってしまったという事実なんです。  『末梢神経とは言っても、腫瘍状になって主神経を圧迫していたのは事実で、切除したのは良かった。切除したのは、機能しなくなった末梢神経なので、影響はない』と言いつつ、煮え切らないDr.。  仕方ないです。症例がないのですから。  正しいかどうかなんて、断言できないです、多分。  B病院が髄膜腫を取り切り、E病院が炎症を起こした神経を取った、ということは、またひと月そこらで神経が腫瘍状になる可能性があり得るのです。  そしてまた、再発に戦々恐々する日々が始まりました。 ・最初の術後に、髄膜腫を取り切れている画像があれば…。  ひと月後の再発は、ありえない。  あるいは、この短期間で成長してしまった以上、再オペは(きりがないので)断念。  そう判断できたはずでした。

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