チーズに関して、菌のおはなしが続きましたが
チーズをおいしく熟成させるのに、菌と同じ位
大事な存在があります。
カビです。
ブルーチーズやカマンベールのカビは有名ですね。
これらのカビはチーズの製造過程でミルクに入れたり、
表面に吹きかけたりします。
白カビにも様々な種類があります。
チーズ職人はカタログの中から、好みのカビを選び
ます。
「ビロードのように毛足が長いのが、美しい。」
とか、
「手入れされた芝のように短く表面を覆うのがいい。」
とか。
チーズのカビは毒素を出さないと思っている人がいますが、
正確には違います。
カビはチーズの上では毒素をあまり出さない。
といった方が正解です。
カビがお米やパンなどのでんぷん質の食品に
つくと、毒素を出しますが、たんぱく質が豊富な
チーズの上では毒素を出しづらく、毒素を出したとしても、
たんぱく質が分解されてできたアンモニアによって、
分解されてしまうのです。
前回の酪酸菌のおはなしと同じで、もともといい奴とか、
悪い奴というわけではなく、環境次第でいい奴にも、
悪い奴にもなるイメージです。
「雪の音」は購入した白カビを使っています。
「はじめのチーズ」のグレーのカビは購入した
カビではありません。
もともとこの環境にいた野生カビが熟成庫に住み着き、チーズ
を美味しくしてくれています。
私がカビを選んだのではなく、カビが私のチーズを選んだのです!
もっと言えば、カビはチーズの中にいる乳酸菌を選んで来ました。
カビは乳酸菌の出す、乳酸をエサにしています。
乳酸菌は酸素の嫌いな微生物です。
チーズの表面をカビが覆い、酸素をカビが利用するようになると
天然の真空パック状態となり、乳酸菌は居心地の良い環境になります。
共生という関係です。
チーズ職人はこのカビを乾拭きし、反転しながら熟成管理をして
いきます。
チーズを美味しくしてくれるのは、あくまでカビと乳酸菌で
人はそのお手伝いをしてるに過ぎません。
※ただしチーズのカビ全てが大丈夫なわけでは、ありません。
フレッシュチーズのような乳酸発酵するけど、熟成のしないもの、
プロセスチーズやクリームチーズのように加熱処理してあって、
活きた乳酸菌がいないものなどは、カビが生えた場合は食べない
ようにしましょう。
判断が難しい場合はメーカーに相談してください。
「ASUKAのチーズ工房」で購入したチーズも不安に感じる
カビを発見した場合は着払いで返送いただくか、画像を送ってくだ
さいね。
本来、生えてはいけないカビが発生した場合は交換いたします。
https://minne.com/items/23092925