青カビ、白カビ、グレーのカビといった
チーズのカビのお話は以前にしましたが、
チーズを語る上でさけては通れないカビ
がまだいます。
まず、チーズの作り方を説明させてください。
①牛乳に乳酸菌を入れる。
②レンネットを入れる。
③固まる。
④水分(ホエー)をきる。
ざっくり言うと、こんな感じの手順で
数千種類のチーズができます。
もちろん、チーズの種類ごとにもっと細かな
工程がありますが。
あなたがチーズマニアでない限り、
ホエーは聞いたことがあるけど、
レンネットって何?
という感じではないでしょうか。
このレンネットは乳を固める酵素その名も
凝乳酵素とよばれています。
仔牛の胃袋の中にあるのですが、仔牛は牛乳を
飲んでお腹の中で固形のかたまりにします。
こうすることによって、お腹の中ですぐに牛乳
が流れていってしまわないようにして、
消化するのです。
仔牛はみな、チーズ職人ですね。
では、人間がチーズを作る時はどうやって
レンネットを手にいれるのでしょう?
仔牛の胃袋を使うという方法もありますが、仔牛
は当然、死んでしまいます。
(建前)かわいそう。
(本音)・・・っていうか、どうせなら、大きく育てて
お肉を食べたい。
と人間は考えました。
そんな人間のエゴを救ってくれたのは「カビ」でした。
前置きが長くなりましたが、今日はカビのお話です。
人間はレンネットを作りだしてくれるカビを発見した
のです。
そのカビはムコールレンニンという牛乳を固めてくれる
酵素を出してくれます。
仔牛の胃袋が無くても、ムコールレンニンさえあれば、
牛乳を固めることができます。
その昔、青カビがペニシリンを作り出す事を発見し、
それ以来、多くの人の命が救われましたが、
カビはまた、多くの仔牛の命も救ったのです。
チーズ工房ではレンネットは購入するので、レンネット
を作り出してくれるカビにはお目にかかったことはありま
せんが、陰ながら、チーズ作りを支えてくれる様々な
カビ達に感謝しています。
https://minne.com/items/22367548